先日ヒマラヤのマカルーという山の事を色々調べていたら（何をやっているんだ私は・・）、武田真敏さんという方が単独無酸素でマカルー西陵に挑戦している動画に辿り着きました。見ているこちらが手に汗握る困難の連続や、未だ前人未踏のマカルー西壁を間近に臨む映像は圧巻でした。
中でも印象的だったのは”MAKALU マカルー西稜 風林火山③火”の28：26~のシーン。全集中している中でのあってはならないヒューマンエラー。ともすれば無かった事にしてしまえる自身のミスを、貴重な記録として包み隠さず公開して下さる姿勢に敬意を表したいと思います。
私たちが行っているロープワークによる作業においても、似たようなヒューマンエラーは十分起こりえます。普段当たり前に出来ている事が無意識に出来るようになった時に、ついついカラビナの接続を音だけで判断してしまったり、混みあった枝の中を強引に進んでゲートが解放してしまったり・・・一瞬の判断ミスが全て命と直結してしまいます。
精神的な面での自身のコントロールは、道具の扱いよりも遥かに難しいものです。そんな中でも、道具の点検や段取りの確認、よく食べてよく寝る、当たり前に出来る準備を怠らない事で、少しでも冷静に作業出来るように努めたいなと思う今日この頃です。