積雪が残る頃、町田市小野路町に広がる里山を抜けて、鎌倉古道と布田道が交わる辺りにある関屋の切り通しを訪れました。見渡す限りの田園風景は、ここが東京であるという事がにわかに信じがたい程の静寂に包まれていて、切り通しのスケール感と共にとても感動的な体験となりました。
そこから少し車を走らせて、多摩ニュータウンの開発時に残されたという”平久保のシイ”のもとへ。それぞれも十分に太いのですが、閑静な住宅街に突如として現れる二本のシイが一体となった巨大な樹冠は圧巻でした。
浅田次郎氏が「つばさよつばさ”東京の緑”」の末尾に記した、「〜私たちがこの変容の時代に遺すべきものは、世界に冠たる東京の緑、けっして高層ビルに代わられてはならぬ永遠の緑である。」の一文に触れて、なんとなくこの日の事を思い出した今日この頃です。